風俗業界の上司・先輩との付き合い方 ~アキバマサトの『風俗業界一年目の教科書』~
2017年05月10日
街ゆく人たちは春の装いで、明るい色の服装の人が目立つようになりました。
春は別れと始まりの季節です。風俗業界一年目の皆さまは、新しい環境で日々苦楽を感じていることと思います。
新人がいるということは、ほとんどの場合、そこに上司や先輩が存在します。新しい仕事を覚え、新人から一人前になるためには、その上司や先輩の存在が非常に大きな影響を与えます。
教育能力の高い上司の下では、能力の高い新人が育つであろうことは容易に想像できるでしょう。
しかし、子は親を選べないのは世の常、運悪く問題の多い上司の下で働くことになってしまうことも……。
今回は少しテイストを変えて、僕の体験談を基に、多種多様な上司の事例と、その対処法を紹介してみようと思います。
在籍歴No.1でも平社員?? 鋭い眼光のゴルゴ先輩
僕が風俗業界に入って間もないころ、系列店に年配のベテランスタッフさんがいました。
グループ一の在籍歴と噂されていた大先輩で、創業時からのメンバーと言われておりましたが、何も役職がついておらず、とてもミステリアスな存在でした。
「主」のような雰囲気で常に寡黙。そして、顔立ちが昭和の任侠映画に出てきそうな強面。その眼光は、ただならぬものがありました。
在籍期間が長いからか仕事の手際がとても良く、計算は正確無比、しかし寡黙すぎて話しかけづらい雰囲気全開なのです。
実際にわからないことがあり勇気を出して質問してみたところ、ヒットマンのような目つきでにらまれ……、
「自分で考えろ」……
と、ひと言。
これじゃあ昇進などしないわ、と納得したのです。
幸い、別店舗所属だったので、あまり関わることがありませんでした。同じ店舗の直上の先輩だったら、僕の人生変わっていたかもしれません。
いつでもさすらい……、フーテンの寅さん店長
僕が某大手箱ヘルグループの店長だったころ、僕より職歴が長い系列店の先輩店長の話です。
人柄が良く部下から慕われており、店の成績はまずまずだったのですが、店にいるところをほとんど見たことがありませんでした。
常に行方不明で、電話に出ないことから付いた異名が“フーテンの寅さん店長”。
閉店間近になるとフラッと現れ、「どうなの?」とか言いながらリストをのぞき込むのです。そして、閉店後は毎日、「メシ行くぞ~」と部下を引き連れて街へ消えてゆくのが日課でした。
夜ご飯の時間だけでマネージメントしているなんてすごい!と逆に感心しましたが、店長決済事項が滞るといった理由で、結局二番手に取って代わられてしまいました。
当然といえば当然ですね。
絵に描いたような嫌な奴っ! スネ夫主任
何でコイツに役職が付いてるの?と思うような性格が悪い上司っていませんか?
昔、僕が心の中だけで“スネ夫”と呼んでいた上司がいました。
今風に言うといわゆるマウンティングなのですが、何かにつけては自慢話をして、「お前らにはまだ早いだろうけど~」などと余計な一言を付け加えるのです。
新しいものを買っては自慢したり、「地元じゃ俺も」と昔話を自慢したり、店長に気に入られてると自慢したりしてくるのです。
上司にはもみ手でゴマをすり、報告は基本的に「部下の手柄は自分のもの」、「自分の失敗は部下の責任」というような、絵に描いたような嫌な奴でした。
僕はムカつくなぁと思いながらも、「さすが~」「知らなかったです~」「すご~い」「センスいい~」「そうなんですか~」と彼の気分を良くさせ、適当に受け流しました。
そして、自分のやるべきことを淡々とこなした結果、3か月で彼をぶち抜いてやりました!
セクハラわっしょい! ノック師匠
アダルト業界では、セクハラに対する境界線が一般業種とまったく違います。
こう言うと語弊がありますが、業務の中で卑わいな言葉を使わざるを得なかったり、興味本位ではなく、業務に生せるアイデアを探るため、性的趣向について質問しなければならなかったりすることがあるのです。
しかも、アダルト業界の場合では、その性質上、言葉でのセクハラを一気に超え、物理的に体に接触するセクハラ行為がまま発生してしまうのです。
必要がないのに欲望のために、趣味で講習をするというのはよくあるパターンです。こうしたセクハラ行為をする上司を、僕はノック師匠と呼んでいます。昔、セクハラで辞任した芸人出身の大阪府知事が由来です(笑)。
このセクハラの場合は、自分だけが我慢すれば済むとか、適当に受け流せばいいというものではありません。
守らなくてはいけないはずのコンパニオンさんを、個人の欲望のために利用し、店舗側に悪影響を及ぼすのは、決して許されるものではありません。
すぐに、ほかの上司やさらに上の上司にチクってください。
“チクる”と言うと悪い言い方ですが、この場合は純然たる業務上での“報告”ですから、むしろ義務と言えます。セクハラ的な講習が行われていた場合、迷わず報告しましょう。
ほかに上司がいない場合は、まず身近な友人などでもいいので相談してみてください。
間違っても、いきなりインターネットで暴露するなどは、自らが別の法律を犯す危険がありますので、しないほうが無難です。
ただ、インターネットで調べてみると、風俗業界での問題解決に取り組む団体や個人がありますので、そういう意味でインターネットを活用し、そちらに相談するという手段はアリだと思います。
念のため、補足ですが、アダルト業界のほうが一般業種よりセクハラは少ないのではないかと思ったりはします。
人間には誰しも必ずいいところがある!
既存の組織に新人として入れば、ほぼ上司はいるものです。生き残り、出世するためにはうまくコミュニケーションを取らなければなりません。
ここに挙げた人物以外にもいろいろな上司がいると思いますが、上司に限らず自分の思い描く完璧な他人などいないということを、大原則として理解しなくてはいけません。
上司はお母さんでも神様でもないのです。同じ人間なのですから、得手不得手もミスもあるのが当たり前です。
上司側の問題よりも上司に期待しすぎる自分の問題、と思えば苦手な上司が少しかわいく見えてくるのではないでしょうか?
負の感情にとらわれすぎると、あらゆることがうまくいかなくなる負のスパイラルに陥ってしまいます。
嫌いになってしまったものというのは、悪い部分が拡大して見えて、良い部分は小さく感じてしまうものです。
大人の器量で「人間誰しも必ずいいところがある」という気持ちをもって、好きな部分をみつけていけば、コミュニケーションが良くなることがあります。
それでダメなら反面教師として、その上司よりさらに出世して見返してやるという気持ちで、仕事に打ち込むという考え方もあります。
それに「評価」とは、上司から一方的にされるものではありません。自分から見て労働力を提供するのに見合わないと評価したのならば、転職だってできるのです。
上下関係に厳しい世界と思われがちな風俗業界ですが、この十年ほどでだいぶ様変わりしたと感じています。紹介したような人はかなり少数になっていると思いますし、あなたをしっかりと評価し、育ててくれる上司・先輩はたくさんいるはずです。
上司との円滑なコミュニケーションを図り、成績を挙げて評価されれば、その分早く上へ行くことができます。
一旗揚げるチャンスは、まだ目の前に転がっているかもしれませんよ!
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