在籍タレントも、スタッフも日々のコミュニケーションが大事! 人材育成に情熱を捧げる『夢見る乙女グループ』採用担当・山口×FJS代表・あや乃 対談~

2018年05月11日

by藤原 リョウコ藤原 リョウコ編集者

――『Fenixzine』のハウツーコラム『魔法の言葉』シリーズの反響から始まった、『日本風俗女子サポート協会』(以下、FJS)代表・あや乃さん主宰の風俗店舗スタッフ向けセミナー。

店舗スタッフと在籍するタレントとのコミュニケーション力を高めるこのセミナーは、過去にデリヘルの『鶯谷デッドボール』や、大手箱ヘルグループ『イエスグループ』で在籍率や退店率を大きく改善させてきました。

現役キャストでもあるあや乃さんは、このセミナーで「普段忙しくて蔑ろになってしまうタレント対応について、改めて女性側の気持ちを学んで欲しい」と語ります。

今回そんなセミナーを受講したのは、関東最大級の大手デリヘル『夢見る乙女グループ』。

男性スタッフの人事を担当する山口さんに、セミナー受講に至った経緯や、その効果。さらには新たに取り組んでいる人材育成について語っていただきました。

風俗業界のサラリーマン化! 真面目で女性慣れしていない新入社員の意識改革をしたかった

あや乃:今回のセミナーは、店舗スタッフと在籍タレントとのコミュニケーションが上手くとれず、新人キャストがすぐ辞めてしまう課題からご依頼いただきました。実際に受講されていかがでしたか?

山口:この仕事って、女性の気持ちを理解することがとても重要なんですよね。普段普通に生活していると男女の違いをなかなか意識しづらいと思うのですが、あや乃さんのセミナーでは、タレントさんの視点から女性の気持ちが聞けてとてもよかったです。

あや乃:ありがとうございます。『夢見る乙女グループ』様は、他のグループ様に比べて特に真面目な雰囲気で少し緊張しました(笑)。

山口:それってまさにセミナーを受講した理由であって、うちの場合、真面目で女性慣れしていない新入社員が多いんですよ。

タレントさんの定着率の部分というのはとても重要で、どれだけ女性求人に応募があっても、すぐに辞めてしまい、全然在籍数が増えないことがあるんです。そこで、女性視点を知ることが大事だなと思って受講に至りました。

うちのグループはスタッフの求人において、福利厚生面の部分では業界トップクラスの自信があります。待遇面を前に出して募集をかけると、真面目で誠実ではあるんだけど、安定志向の人が面接に来られることが多いんです。

これは偏見かもしれないですけど、イケイケな感じの人や、出世欲の高い方ほどタレント対応がうまいような気がします。

そういう方って、週休二日制や有給などの福利厚生面で惹かれないことが多いんですよね。最近は安定志向の方が増えてきて、風俗業界全体がサラリーマン化しているように感じます。

あや乃:確かにセミナーのときも真面目な普通の会社員タイプの方が多くて、ギラギラした俗に言う、風俗業界の人! みたいなタイプの方は、いらっしゃらなかった印象ですね。

山口:そうですね(笑)。サラリーマンタイプが多いのは、いい面もあり、悪い面もあるんです。

いい面は組織が大きくなればなるほど業務が細かくなるので、真面目な人間がいないと回っていかないんです。だけど、新規出店とか、新ブランドを立ち上げる時って、周りを引っ張っていける人の方が向いています。

人それぞれ個性がありますので、そういところの見極めは採用で行うとして、言い方が悪いですけど、女性慣れしていない人にも、セミナーを通じて少しでもタレントさんの気持ちを理解して欲しかったんです。

あや乃:私もそうなんですが、周りを引っ張れる方はやる気が伝わりやすいので、働く女性側もモチベーションが上がりますね。でも、女性のタイプによって相性があるので、お店にはいろんなタイプのスタッフがいたほうがいいと思います。

山口:そうですよね。セミナー受講直後なのでまだ数字で出ているわけではないんですが、社員の意識はガラっと変わりましたね。

特に実際のタレント対応を想定して、相手の髪型や服装などの変化についてありのままを伝える【認知のワーク】や、ひたすら相手を褒める【褒め褒めワーク】はすごく勉強になりました。

【認知のワーク】【褒め褒めワーク】とは?
「入店率」と「新人継続率」アップを目標に、女性のココロを理解して共感力を高めるためのワークショップ。下記の二点を行うことで相手を観察する力が付き、タレントの変化に気付くことが多くなる。さらに、言葉に出して相手に伝える練習をすることで、コミュニケーション力が向上する。

▲実際のワークショップの様子。

あや乃:私が口頭で何か説明するだけだと、その場限りで印象に残らないんですよね。でも、実際にワークを実践していくと、観察力が鍛えられるんです。

そうすると、対タレントさんとのコミュニケーションにおいて、顔色が悪いとか声の様子がいつもと違うといった、今までスルーしてしまったところを気付けるようになるんです。

セミナーの最後に毎回感想を一言ずつ聞くんですけど、『夢見る乙女グループ』様は、こちらが驚くほどたくさん回答していただけて、皆さん何かを吸収しようと真剣な雰囲気がすごく伝わりました。

人生にいい加減な人は採用しない。『夢見る乙女』グループの人材育成術

あや乃:セミナーを通して一番伝えたいことは、スタッフさんとタレントさんの日々のコミュニケーションが大事だということです。でも、これってスタッフとタレントに限ったことではなくて、組織の中でも大事なことですよね。

山口:おっしゃるとおりですね。私はスタッフの面接も担当していますし、新人教育って部分にも携わっています。その中で感じることは、「この業界に来たからには最後の転職にしたいと真剣に人生を考えている方」が多いんです。

初めての業界で右も左もわからない人はやっぱり不安だと思います。だから、アフターフォローじゃないですけど、面接の時や、入社後のフォローは徹底しています。スタッフにもコミュニケーション大事にしていますよ(笑)。

あや乃:さすがです! 新人スタッフさんの教育で何か取り組まれていることってあるんですか?

山口:入社してから本部で業務や、風営法のこととか一通り学んでもらう研修は以前から取り組んでいます。いきなり店舗に放り込まれると、何が何だかわからないですからね(笑)。

それに加えて、最近は新入社員から私宛に何でもいいのでLINEで毎日メッセージを送ってもらう、「一言日報」を始めたんです。

入社前とかの研修でたくさん話をして、信頼関係をある程度築けているので、結構本音ベースでメッセージをくれます。

キャバクラ業界に長年いた40代の新入社員の方がいるのですが、ある日「悔しくて泣きました」とLINEが来たことがあったんですよ。これが例えば誰もが見ることができる人事部の公式LINEとかだったら、そんな本音を送ってこないと思うんですよね。

スタッフから「ちょっと相談があるのですが……」ってきたらもう終わりなんですよ。辞める決心がついてしまっている状態では、もうどんな手を打っても覆せない。

だから、日々コミュニケーションをとって、早めにその信号に気づいて対処していく。そういったことを最近少しずつですけど取り組んでいます。

あや乃:すばらしいですね。たしかに私もお店で働いていて、スタッフさんがすぐ辞めてしまうことが多いなと感じていましたし。

山口:そうなんです。タレントさん同様、スタッフも自分の中に溜め込んでいると爆発してしまうので、日頃の変化に気付くガス抜きのためにやってもらっています。

女性が一言で笑顔になる魔法のテクニックはない。大切なのは日頃のコミュニケーション

あや乃:今回のセミナーの内容は、日常で意識してほしいですね。よく聞かれるのが、女性にお客さんがつかなかった場合、笑顔にできるテクニックがないか聞かれるのですが、はっきりいって、そういうものはありません(笑)。

本当に基本的な話にはなってしまうのですが、スタッフさんの仕事に対する日々の姿勢や、いかにキャストとコミュニケーションが取れているかによりますよね。

セミナーを受けたことで、キャストのことを真剣に考える時間が持てるようになればいいなと思いました。

山口:今の言葉は響きましたね。どうしてもテクニックや表面的なことを求めがちになってしまいますよね。

でも、実際の現場では杓子定規でいかないので、まさにその言葉に尽きる。こういうセミナーの場を設けて、ちゃんと考える機会が生まれたのはすごくいいですね。

あや乃:風俗業界でこういうセミナー受ける機会って本当にないので、学んで終わりにしたくないなと思います。ぜひ、次回につなげていきたいです!

――座談会を終えて、あや乃さん、山口さんのお二人からはタレントやスタッフがいかに働きやすい環境をつくれるか、お二人の強い気持ちが伝わってくるアツイ対談となりました。

『Fenixzine』では、業界全体の向上のためにも、あや乃さんのコラムやセミナーといったさまざまな形でお伝えしていきたいますので、ご期待ください!

編集:藤原 リョウコ

執筆者プロフィール

藤原 リョウコ

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元ゲーム雑誌編集者。生粋のオタク気質を活かしてエンタメ系ライターとして活動する中、趣味で日本語ラップにどハマり。HIPHOP精神あふれる風俗業界で働く男たちの姿を知り、FENIXJOB編集部へ。趣味はスニーカー集めとBリーグ観戦。

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