「負ける気持ちがわからない」業界イチ“破天荒”な代理店社長が成功できた理由 セントラルエージェント代表 浜辺 篤#1

2018年10月25日

by新海 亨新海 亨編集長

普段はなかなか会えないエラい人に、シゴト内容や、どうしてその人がえらくなれたのか、『Fenixzine』編集部が凸撃取材する「教えてエラい人」シリーズ第2弾!

前回、好評だったイエスグループ・佐藤部長(記事はコチラ)とは、打って変わって今回お話を伺うのは、風俗業界の広告を扱う代理店、『株式会社セントラルエージェント』代表の浜辺さん。

実は浜辺さん、業界ではいろんな意味で有名な人物だということをご存知でしょうか? 一言でいえば、“豪快”。怒られるのを恐れず言えば、“破天荒”(小声)。

そんな、浜辺さんにシゴトとはなにかを問う連載を全2回でお届けします!

今回のエラい人は風俗広告代理店の浜辺さん

新海:今日はよろしく願いします! 早速なんですが、浜辺さんのことを知らないという読者もいると思いますので、簡単に自己紹介をしていただいてもよろしいでしょうか?

浜辺:そういう感じ?(笑)。 じゃあえっと、浜辺篤(38歳)と申しまして、風俗業界に特化した『セントラルエージェント』っていう広告代理店の代表です。

今は主に関東のクライアント(風俗店舗)さんに、集客とか、求人系のいろんな媒体を提案して、販売を行っています。

新海:いつもFENIX JOBがお世話になってます!!
浜辺:はいはい。特におべっかとか言わないからね。


<写真:忖度はしない浜辺さん>

新海:(いつも通り手厳しい)…大丈夫です! 今日は浜辺さんのシゴト観を中心に、この業界の広告における課題だったり、これからのことだったりを伺いたいと思ってます。

まずは浜辺さんはどういう経緯でこの業界で働くようになったんですか?

浜辺:商業系の専門学校の時に就職活動していて、たまたま学校にあった求人に“広告代理店”の仕事があったんですよ。なんかかっこいいじゃないですか? 広告代理店の営業って。

で、面接してもらったら内定を頂けて、晴れて入社したら、そこが風俗業界の広告代理店だったっていう(笑)。

新海:知らないで入社したんですか!?
浜辺:そうそう。今はないと思うけど、僕が入社した10数年前は結構そういうこともあったみたいで。まあ、学校のみんなには「俺、広告営業になるから!!」ってカッコつけて言っちゃってたから、引くに引けずそのまま働き始めた感じです。
新海:豪快ですね…(笑)。

入社1年目から営業成績トップ。負ける気持ちがわからない

浜辺:入社した会社は当時業界の中でも、トップクラスくらいに大きい会社で社員数でいうと営業だけで50~60人くらいはいたのかな?

スマホがない時代で、紙媒体全盛だったんですけど、スポーツ新聞とか、週刊〇〇とかに載ってる風俗系の広告枠をその会社がほとんどもってたんですよね。

浜辺:だから、できる営業はバンバン広告が売れるわけ。当時、自分は風俗に行ったこともない20歳前後の若造だったんですけど、知らない世界だったし、すごい刺激的でしたね。

「ここはどうなってんだろ?」「こうやったらどうなるんだろ?」みたいな感じで仕事をしてたら、1年でトップセールスになりました。

新海:さらっと話が飛躍しすぎて思考が追いつきません。 入社1年目で50人以上いる営業のトップになったんですか?
浜辺:そうそう。そこから今までずっと一番。売上で抜かれたことなし!
新海:今まで!? 現在までってことですか??
浜辺:そう。もちろん、独立したての時とか一人でやってた時期もあるから、ずっと複数の中で一番っていうわけじゃないけど、他の営業に負けたことは人生で一度もない。
新海:でも一度くらいは他の営業さんに抜かれてくやしい思いとかあるんじゃないですか?
浜辺:ないよ。一度も。だから、負けてくやしい気持ちとかわからないの。


<写真:負ける気持ちがわからない浜辺さん>

新海:ヒクソン・グレイシーみたいな人だ……。

わざとコーヒーをこぼす!? トップセールスの営業スタイルはとにかく破天荒だった

新海:とは言っても、入社一年目の新卒が、いきなりトップセールスなんてなれるもんなんですか?
浜辺:なっちゃったからねえ(笑)。
新海:具体的にはどんなことをしたんですか? なにか裏技が!?
浜辺:僕の性格的なものが大きいと思うんですけど、結局は“人に注目してもらえるか”、だと思うんですよ。
新海:注目ですか?

浜辺:右も左もわからない新人が、「この広告は効果ありますよ!」とか説明してもたかがしれてるじゃないですか。

何年もやってる人に勝てるわけがない。だから、まずはクライアントに自分を覚えてもらう。そこから、「こいつ使えるかも」って注目してもらうってことをやってましたね。

新海:言っていることはわかりますが、覚えてもらったり、注目されることって簡単じゃないですよね?
浜辺:簡単でしょ。例えば、打ち合わせの資料が並んだテーブルに、コーヒーを派手にこぼすとか。


<写真:とんでもないことを平然と言う浜辺さん>

新海:できませんよ! そんなこと! 全然簡単じゃないです!
浜辺:だけど、絶対覚えてもらえるでしょ。「この前、コーヒーこぼしちゃった浜辺です!」って電話すれば、絶対覚えてる。


<写真:ケラケラと笑う浜辺さん>

新海:下手すれば、破談になっちゃうじゃないですか。

浜辺:もちろん、ただコーヒーこぼすだけだったら、とんだマヌケ野郎だけど、それ以外の部分では徹底的にクライアントのためになるような提案を精一杯するんですよ。

そうすると、「コーヒーこぼしたあいつ、意外に使えるな」って掲載をもらえるようになる。

新海:浜辺さんにしかできないような気が……。
浜辺:たしかに(笑)。営業ってその人の感性がもろにでる職業だと思うからね。

長いものには噛みつけ! 極小の新規立ち上げ代理店が注目を集めた方法

浜辺:この業界に入って、営業で結果を残していくと、独立して自分でやりたいと思ってくるんですよ。風俗店スタッフが自分の店を持ちたいって気持ちと似てるのかな。

だから、入社して1~2年くらいには、30歳までに独立しようと目標を立てたんです。それができなかったら、きっぱりこの業界は辞めようと思ってましたね。

新海:なんかベンチャー感たっぷりでワクワクしますね。こうして代表でおられるってことはうまくいったんですよね?
浜辺:新卒で入った会社を辞めて、独立の勉強のために立ち上がったばっかりの新しい代理店に転職したんです。そこで2年くらい働いて、27歳の時に今の会社を立ち上げました。
新海:おお。意外に正当法なエピソード。
浜辺:独立の時はもちろん、前の会社で担当してたクライアントを全部引き継いでゼロからのスタートです。まったくなにもないところから。
新海:転職した会社でもトップセールスだったんですよね? 多少は引っ張ってこれたりしなかったんですか?
浜辺:もちろんできないことはないかもしれないけど、そういうのってトラブルになりやすいんですよ。俺のお客だ! いや俺のだ! みたいな。だから全部引き継いできましたね。
新海:すごい苦労されたんですね……。
浜辺:いや、そんなに。


<写真:めんどくさそうな浜辺さん>

新海:してないんですか!? 独立で苦労とか! そういう話が読者にシゴトとはなにかを訴える部分になるんですけど!!
浜辺:まあ確かに最初はマンションの一室で一人で全部やってたから大変だったけど、すぐ作戦が成功したから。
新海:作戦?? また変なことしたんですか?
浜辺:当時、風俗業界の大手代理店の一つに喧嘩を売るという作戦。
新海:なんですか、その池○戸潤作品みたいな展開。

浜辺:こんな取材までしてもらって、今でこそ業界の中では知られてる代理店の方かなって思ってるんですけど、当時は立ち上げたばかりの極小企業だったわけですよ。

僕の営業の話でも言った通り、まずはセントラルエージェントって会社を知ってもらわないといけない。

そこで、影響力のある代理店に噛み付いて、業界の中で注目を集めようと思ったわけです。もともと、僕のターゲットになった大手代理店っていうのが、前々からやり方がよくないなあと思っていた企業だったんですよね。

なので、代表とか社長があつまる会合の席で、「あなたの会社のやり方は間違ってる!」って、わざと噛み付いたんですよ。

新海:期待通りのぶっ飛んだエピソードきましたね(笑)。たしかに、僕もその場にいたら、「なに言ってんだあいつ!?」って注目しちゃいます。
浜辺:どの業界でも大手の企業ってファンもいれば、アンチもいるわけですよ。アンチ層の人たちは賛同してくれるし、ファンの人たちも賛同はしなくても気にはかけてくれるじゃないですか。新人の若造がいきなりベテランの社長に噛み付いたら。
新海:バズマーケティングみたいですね(笑)。

浜辺:今でいえばそういう感じですかね(笑)。でも、そこから注目されるようになって、仕事が増えてきたのは事実です。

大多数は「生意気言いやがって、すぐ潰れるだろ」って思ってたと思いますけど、僕は注目されれば話を聞いてもらえる。そうすれば、仕事をもらえる自信があったので。

おかげさまでそこから取引先は右肩あがり、もちろん売り上げも。

新海:まさに劇場型の営業手法ですね。火のないところに無理やり煙を起こすみたいな。

じゃあ今のセントラルエージェントの営業の方はまさに、劇場エンターテイメント集団なんですね?

浜辺:いや。まったく。 そういう営業方法は今は禁止してますから。
新海:!!?

破天荒なエピソードのオンパレードでしたが、突き詰めていけば、注目を集める自己プロモーションと、徹底した仕事のクオリティで結果を出してきた浜辺さん。

注目をうまく集め、仕事で結果を残す。それが誰にも真似できないブランディングとなり、成功に繋がったのだと感じました。

これから、風俗業界で独立を考えている方は参考にしてみてはいかがでしょうか? 

次回は、浜辺さんが独立してから築いた自身の会社のエピソードと、風俗業界の広告の問題や課題、働く若者へのメッセージを語っていただきます! 要チェックです!

次の記事>> 「戦略的にやる!」破天荒とは真逆の提案力こそ、成長の源泉 セントラルエージェント代表 浜辺 篤#2

浜辺 篤

1980年生まれ。東京都出身。株式会社セントラルエージェント代表(公式HP)。風俗業界の大手代理店で常にトップセールスとして活躍。新規立ち上げの代理店にヘッドハンティングされ、ノウハウを学んだ後、27歳の時に独立。業界の常識を覆すソリューション営業で、注目を集める若き経営者。

執筆者プロフィール

新海 亨

新海 亨編集長記事一覧

元大手ハウスメーカー営業マン。お金と引きかえに自由とやりがいを手放す生活から決別するため転職を決意。ある風俗サイトに感銘を受け、デザイナーとして仕事を始めるも、いつのまにか編集員に。最近はハマっている一眼レフカメラの仲間を求め奔走中。座右の銘は“STAY GOLD!!” 東京都出身。

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