「やさしい気持ちになれる店」は変わらない。~まりな店長退任。新生『池袋サイドライン』のこれから~

2019年06月27日

by新海 亨新海 亨編集長

2019年の春、2016年OPEN以来、副業女子専門店として風俗業界には縁のないようなハイクオリティのキャストを集め、当日の予約率94%という驚異の数字を誇る人気店『池袋サイドライン』に激震が走った。

『サイドライン』の代名詞ともいえる代表のまりな店長が突然の辞任を表明したのである。様々な企画やイベントで店舗をけん引し、店長として活躍していたキーパーソンの彼女が抜けた今、『サイドライン』はどこに向かうのだろうか。

Fenixzineでは店舗のブランディングや今後の事業展開について、キャスト兼スタッフの寧々さんに話を伺った。

突然のまりな店長退任に揺れたサイドライン


寧々:今回はいろいろとお騒がせして申し訳ありませんでした。突然の退任だったので驚かれた方も多いですよね。

オープン当初から店舗を本当に支えてくれた店長なので残念ではありますけど、これからは私たちで”新しいサイドライン”をつくっていかなければならないなと思っています。

――そう話してくれたのはサイドラインのキャスト兼スタッフの寧々さん。創業当初から在籍し、最近ではスタッフとしてサイドラインを支え、お店のマネージャーとして活躍する女性だ。

寧々:たしかに外から見るとまりな元店長が目立っていたので、いなくなると大丈夫なの??って思いますよね。

実際、まりな元店長を前面に押し出していましたが、それはあくまでも手段であって、私たちが一番大事にしていたのは、サイトにも出てきますけど「やさしい気持ちになれる店」というプロミス。

それをまりな元店長に発信してもらっていました。これからは発信の仕方は変わってきますが、本質的にはこれまでと変わりません。「やさしい気持ちになれる店」をとことん追求して前に進むだけだと思っています。

サイドラインって在籍しているキャストの女の子も、スタッフも、風俗業界っぽい子がいないんです。悪いイメージですけど、この業界って目先の利益に目がくらんで、お客様や女の子をだましたりしがちですよね。

でもそうではなく、嘘をつかずに相手のことを思って接することで、お客様や女の子、そして、スタッフにもやさしい気持ちになれると思うんです。その“やさしい気持ち”サイクルをスタートするには、やっぱりスタッフから変わっていかなければならいんですよ。

だから、これからもそこを追求していきたいなと思っています。

全部が全部うまくいくわけじゃないです。でも、そこさえブレなければ、誰が接客しようと、誰が店長としてお店を運営しようと、サイドラインっていう存在は必要とされるはずなんです。

風俗業界の本質は“やさしい気持ちビジネス”


――名物店長よりも、店舗のブランドプロミスだと語った寧々さん。

確かに今もユーザーからの支持は高く、完売御礼の札が連日のように続いている。それでも気になってしまうのは、サイドラインの強みであった様々な企画力やPR戦略が影を潜めてしまわないか、だった。

寧々:今までやっていた企画はこれからも継続して行っていくつもりです! オフラインでのイベントも続けていきますし、新しいことにもチャレンジしていきます。

具体的にはこれからですし、まだまだ検討段階ですけど、オナクラ系とか、それこそレンタル彼女とか、ライトなサービスがあってもいいかもね!ってみんなで話しています。

この業界って、人と人を繋げることで価値が生まれるビジネスだと思うんですよ。人間って基本的に誰かと接したいとか、誰かと繋がりたいはず・・・。でも、なかなかうまくいかないし、できない人がマジョリティな気がします。

お客様で言えば、学歴や社会的地位もあるけれど、なかなか本音で語れる相手がいなかったり。働くキャストは、愛に飢えていたり、承認欲求を満たしてくれる人がいなかったり。

お客様も女の子も自分の居場所を探していると思うんです。もちろん私もです(笑)。

少し話は逸れましたが、お互いの足りない部分を”やさしい気持ち”で埋めるっていうのがわたしたちの根幹にあって、今はそれをデリヘルという形でやっています。でも、これはデリヘルじゃなくてもできるよね、って(笑)。

デリヘルの価格って他のいろいろなサービスに比べると高額じゃないですか。60分22,000円がうちのベーシックな価格なんですけど、2万円以上する遊びって今あんまりないですよね?

若い人の風俗離れってよくいいますけど、わたしも同年代として男性の立場に立って考えるとちょっと手を出しにくい値段かなって思いますし……。

それだったら、もっとライトに遊べて、ライトな価格なものを作りたいなって思うんです。もちろんお互いが「やさしい気持ちになれる」もので。

メッセージ

――最後に寧々さんから風俗業界で働く読者に対してメッセージを伺った。

寧々:サイドラインではキャストはもちろんですが、働くスタッフもすべて女性です。この業界だと、わりとめずらしいお店ですよね?

基本的にうちのお店でキャストとして働いていた女の子がセカンドキャリアでスタッフに転向することがほとんどなんですけど、こういう流れってこの業界まだまだ少ない気がします。

私たちと同じように女性がスタッフとしてもっともっと活躍できる業界になればいいなと思います! 完全に宣伝ですがサイドラインの次期店長候補も大募集中です(笑)。

すごい語っちゃいましたけど、私は店長とかそういう立場は苦手なので……。

サイドラインは早いもので3年目に突入します。これからもみんなで”やさしい気持ち”をもって頑張っていきます。

――風俗店では、限られた優秀な店長がお店をつくり売上げをつくるケースが多々見られる。そのような属人化された組織では、思わぬトラブルで堰を切ったように凋落してしまう。

いかにお店としてのブランドを確立するか、そしてそのブランドを確固たるものにするか。それが浮き沈みの激しい風俗業界で生き残るすべなのかもしれない。

新生サイドラインの動向に今後も目が離せない。

池袋サイドライン 寧々(ねね)

『池袋サイドライン』OPEN当初から在籍する人気キャスト兼スタッフのプレイングマネージャー。サイドラインのブランドプロミスと風俗業界の面白さに共感し、制作会社でSEとして働くかたわら、活躍の場を広げている。2匹の愛犬と一緒に過ごすのが至福のひととき。

執筆者プロフィール

新海 亨

新海 亨編集長記事一覧

元大手ハウスメーカー営業マン。お金と引きかえに自由とやりがいを手放す生活から決別するため転職を決意。ある風俗サイトに感銘を受け、デザイナーとして仕事を始めるも、いつのまにか編集員に。最近はハマっている一眼レフカメラの仲間を求め奔走中。座右の銘は“STAY GOLD!!” 東京都出身。

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