どMな風俗業界1年生が学ぶ法律講座 ~甘いコトバの暴力団にはかかわらない~

2016年09月28日

by新海 亨新海 亨編集長

健全な風俗店としてデリヘルを営業していたとしても、反社会的な勢力(暴力団)は言葉巧みに近づいてきます。一度関係性をもってしまうと、そのままズルズル闇の世界へ……。なんてことも。

そんなことにならないためにどうしたらいいのか!? 今回は、『暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(以下、暴力団対策法)』について学んでいきたいと思います。

■登場人物

lowko

どS敏腕弁護士 ロウ子 

風俗業界の健全化と女性セックスワーカーの地位向上に熱意を捧げる敏腕弁護士。そのどSっぷりは、法曹界の重鎮たちが一目置くほど。常に尖がったハイヒールを履いていることで有名。とある理由から“チン吉”くんに風俗業界における法律知識を教えることになる

tinnkiti

どM風俗店舗スタッフ チン吉 

大学卒業後、一般企業に就職するも仕事がつまらなすぎるという理由で退社。『Fenixzine』から風俗業界に興味をもち、満を持して飛び込んだ生粋のどM。最近の悩みは髪型が亀頭みたいなこと。とある理由から“ロウ子”さんに法律知識を学ぶことになるが、そんなことより、本当はムチで叩いてもらいたい

風俗店と暴力団

lowko
「ちょっと聞きたいんだけど、風俗店ってやっぱり……。」

bouryokudan

lowko
「こういうことって、よくあるの???」
tinnkiti
「どうしたんですか、いきなり!! うちの店は今のところないですね。たまにそういう話を聞きますけど……」
lowko
「今、暴力団系の案件を請け負っていてね。暴力団対策法が施行されてからは、被害が減少傾向にあるって聞いてたけど、本当かなって思って」
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律
暴力団対策法とは、暴力団の活動に対して規制を行い、市民生活を安全に守るために作られた法律です。具体的な内容は下記のとおりです。

  • 暴力団を「社会の必要悪」ではなく、「反社会的な存在」とみなして、規制する
  • 民事介入暴力(民暴)※1を禁じる
  • 暴力団の抗争に、住民が巻き込まれることを防ぐ
  • 都道府県暴力追放運動推進センターと全国暴力追放運動推進センターを指定し、これらの組織を通じ、暴力団による不当な行為の被害者を支援する
※1  民事介入暴力(民暴)とは、暴力団が、当事者として(または代理人として)個人・企業間の争いやもめ事に介入し、暴力や集団の威力を背景に、不当に金品を得ようとする行為。具体的には、飲食店や風俗店でのボッタクリ行為、みかじめ料、暴力団がかかわっている企業との強制的な取り引きなどが挙げられます。
lowko
「警察は原則的に“民事不介入”(犯罪と関係のない、個人間の争いには立ち入らない)って立場なんだけど、暴力団が行う“犯罪スレスレの行為”や“グレーゾーンの反社会的活動”に対して取り締まるためにできた法律なの」
ポイント
この暴力団対策法が適用されるのは、都道府県の公安委員会が指定した『指定暴力団』(暴力団の中でも、特に反社会性が強い団体)です。非指定暴力団の構成員が、非指定暴力団の威力を示して行う『暴力的要求行為』は、規制の対象になりません。

暴力団対策法で禁止されている『暴力的要求行為』の例

bouryokudan

口止め料や寄付金、縄張り内での「みかじめ料」「ショバ代」「挨拶料」などの要求

bouryokudan

商品、サービス、事故についての「言い掛かり」、不当な損害補償要求

bouryokudan

債権の不当な取り立て、債務の踏み倒し、貸付の要求

bouryokudan

請負、委任、委託契約に際しての受注・物品納入、役務提供の受け入れ要求

暴力団に頼ってはダメ、絶対

bouryokudan

tinnkiti
「たまにいるらしいんですよね。暴力団らしき恐いお兄さんを送り込んでくる。競合他社が……。」
lowko
「まさか、ちがう暴力団に依頼して追い払ってもらったりしてないでしょうね!? 依頼をしたり、関わること自体が違法よ」
暴力的要求行為の要求の禁止
第十条 何人も、指定暴力団員に対し、暴力的要求行為をすることを要求し、依頼し、又は唆(そそのか)してはならない。
lowko
「この禁止事項に違反すると、再発防止命令が出されることがあるわ。その命令に従わず、暴力団とかかわり続けると3年以下の懲役、または250万円以下の罰金が科せられるわ」
tinnkiti
「まさか! そんな任侠映画みたなことしませんよ!! 丁重にお引き取り願っております」

被害にあったら、すぐに警察に相談

lowko
「怪しいな!って思ったら、まずは警察に相談してね。届出の方式は特に決められてないし、費用は一切かからないから面倒なことはないはずよ」
lowko
「その時、相手の名刺や請求書、被害に遭った時の会話を録音したものがあるとスムーズね」
lowko
「相談の内容によっては、すぐに刑事事件化して捜査を開始してくれるわ。立件が難しい場合でも、暴力団対策法で定められている暴力的要求行為なのであれば、警察は『中止命令』、または『再発防止命令』を出してくれるわ」
tinnkiti
「でも、そんなことしたら銃弾が送り付けられたり、恐いことされたりしないんですか!?」
lowko
「一般的に警察に届け出てから2日~数日以内に中止命令がだされることが多いわね。それでも間に合わないくらい、緊急性を要する場合は、警察から警告を出してもらって一定の行為を制止してもらうことができるわ」
tinnkiti
「へーすごい! テレビでやってる警察24時みたい!」

みんなで楽しく風俗業界の法律を学びましょう。
次回のアップは10月12日(水)!! 

『どMな風俗業界1年生が学ぶ法律講座~デリヘル店危険度別! 罰則ランキング!~』

お楽しみに!!

デリヘル検定

デリヘル検定 (一般社団法人ホワイトハンズ主宰)

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監修:一般社団法人ホワイトハンズ代表 坂爪真吾 / 徳田玲亜 弁護士

執筆者プロフィール

新海 亨

新海 亨編集長記事一覧

元大手ハウスメーカー営業マン。お金と引きかえに自由とやりがいを手放す生活から決別するため転職を決意。ある風俗サイトに感銘を受け、デザイナーとして仕事を始めるも、いつのまにか編集員に。最近はハマっている一眼レフカメラの仲間を求め奔走中。座右の銘は“STAY GOLD!!” 東京都出身。

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