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親の大病で大学中退。居酒屋⇒雀荘と進み、家計を支えたが……

こんにちは。どうもお待たせいたしました。会議が長引いてしまって。

今日はインタビューですよね。はい、窓口の者から伺っていますが、緊張しますね（笑）。僕で良いんでしょうか。

出身は埼玉、育ちは神奈川です。人並みにというか、みんなと同じ道を歩みたい思いはあって、18歳で大学に進学して。

ところが母が大病を患って、中退せざるをえなくなっちゃったんですね。バイトをして何とか入学金は工面したんですが、家の家計まで僕が支えることになって、とても続けられないなと。その後は居酒屋の従業員、やがて店長代理、雀荘のスタッフという形で渡り歩きました。

環境は正直悪かったです（笑）。居酒屋時代なんて、月の労働は350～60時間。決して待遇が良いわけでもないですから、「割に合わないな」と感じていました。

なのでこの世界には、もともと給与面で期待をして入ってきたんです。ネットで“高収入　求人”というキーワードで検索したら、上位にいたので興味が湧きました。中でもウチは、福利厚生面でも一番好条件で……。

ただ実は、面接時には僕、半信半疑だったんですよ。

「試用期間後にいきなり月30万円？　そんなうまい話あるかな」

多い時には1日300人の来客。「稼げるのも当たり前か」と納得

でもその疑念は、入社後数日で払拭されました。

まずサービス単価が高いですよね。同じ1時間でも、僕のいた居酒屋や雀荘とは、費用対効果が比べものになりません。

何よりお客様の数にも驚きました。お店に配属された当時、1日平均200人、多い時には300人の来客があって。

「こんなにニーズがあるのか。だから給与もこんなに頂けるんだ」

こんな調子だったので、もうすべてがおもしろかったですね（笑）。「おお。タオルってこんなにいるんだ」とか「あ、呼び込みとかってしないんだ」とか「Webってこんなに使うんだな」という感じで、何もかもが新鮮で。

早々に自分の意見を求められるのも嬉しかったですね。会議にも参加できましたし、日常のこまごましたことから、コース変更のような大きなことまで、「こうしたら良いんじゃないか」という提案に、すぐに耳を傾けてもらえました。

ウチでは基本的にどんなスタッフも毎年給与が上がります。一方で、悪い意味での“年功序列”はないんですね。

難しい理屈はなくシンプルな事業。その上で、対策にスキもない

働き始めてすぐに気づいたことですが、この仕事って、難しい理屈はないんですよね。お店の売上は女の子1人ひとりの頑張りの集積です。つまり当たり前と言えば当たり前ですけど、彼女達の稼ぎで成り立っている。極めてシンプルですよね。

僕らは必死になって電話を取るし、イベントだって考えて、Webから女の子の予約への誘導を図ります。そしてここが重要なんですが“それでも人気が出ない”という時に、女の子は対策をすごく取りやすいんですね。

『写メ日記』、Twitter、LINEによる直接予約（姫予約）などなど、ご指名を得るためのツールって山ほどあるんです。実際僕ももう入社して3年になりますが、全部を使っても稼げないという子には、まだ一度も会ったことがありません（笑）。

「なんでだろ。ツイートだって姫予約だって頑張ってるんだけどな」
「ほんとだね。おっかしいな。あ……」
「なになに？」
「〇〇さんアンケート結果が最近良くないかも」
「えー」

確かにこんな形で接客に難ありという場合も、ときにはあります。僕らでもそうですけど、仕事に慣れてしまって、ついつい細かい部分がおざなりに、ということがあるじゃないですか。でもこれだって大丈夫。ウチには女性講習員がいるので、サービスの見直しが図れるんですね。

「一回先生に見てもらいましょうか」
「ぜひぜひ」

女の子が気づけないところ、僕らスタッフでは手の届かない部分には、こんな形で元キャストさんの助けまである。集客も含めスキなく対策が図られているのも、ウチの大きな強みだと思います。

昇給昇格に、手当に賞与。“売上は従業員に還元”の社風が嬉しい

成果はきっちり見てくれるので、やりがいもすごくありますよ。僕の場合で言うと、昨年の10月に副店長になって、12月には更に店長に昇格して。

月給も基本給30万円に、店長になるとプラスで20万円が付きます。ここに勤続手当と売上に応じて大入手当、更に住宅手当まで付くので、先月の額面月給はぶっちゃけ64万4,385円。手取りは50万4,129円です。

大学中退25歳のリアルな数字にしては、悪くないでしょう？（笑） 今後複数の店舗を見られるようになれば、給与はもっと上がります。デリヘル事業も立ち上がって、今2店舗かな？　機会があればぜひ、こちらにもチャレンジしたいですよね。

“売上は従業員に還元”という社風なので、好調の今季はヒラのスタッフでも80万円、僕ら店長には160万円近くのボーナスまで出ました。みんな燃えちゃって（笑）、それで今日の会議も長引いちゃったんですけどね。

黙っていたって給与は上がる。でもだからこそ、どうせなら

さっきも少し言いましたけど、よっぽどのことがない限り、ウチは在職しているだけでも毎年5,000円ずつは月給が上がっていくんです。だからここで満足しちゃう方がいても、おかしくはないですよね。それで怒られるわけでもないし（笑）。

「だけど」と、僕は思うんです。積極的に意見を言えてしかも聞いてもらえて、成果を出せば給与だって更に上がっていく。なら立場も収入も、とことん上を目指しちゃった方が、楽しいんじゃないかなと……。

かつて自分がいた職場と比べて、労働環境も雲泥の差ですしね。店長の僕でも、1日の実働は8時間、有休も完全消化。これで頑張らないようじゃ、女の子達に怒られます（笑）。

取材後記

執筆者

松坂 治良

ご訪問時は早番と遅番の交代時間だったのですが、スタッフ様の顔触れはまさに“老若男女”でした。また引き継ぎが迅速で、ムダがなかったのもたいへん印象的。システムが確立されている企業の、強さを感じた取材でした。