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フリーター⇒20歳で正社員に。それなりに充実していたが……

出身は群馬県です。高校卒業後、すぐにフリーターになりました。

大学や専門学校も考えたんですけど、僕は4人兄弟の3番目。少し経済的に厳しかったんですね。進学してからの奨学金以前に、入学金を用意できない。社会に出るしかありませんでした。

マックと工場の掛け持ちでアルバイトをした後、「そろそろ正社員に」と、自動車用の工具を扱う会社に入ったのが20歳の時です。業務にも人間関係にも不満はなく、それなりに充実して働けていました。

ところがコロナが来ちゃったんですよね。工場の稼働がストップしてしまったあの頃は、“自動車関連”というだけで軒並み大打撃でした。もちろん僕の会社も休業。最後は「申し訳ない」と上にお詫びをされる形で、退職を余儀なくされてしまったんです。

業界入りのきっかけは、彼女のアドバイス。高給も魅力だった

やがてなぜこの業界に、というのは、実は当時お付き合いのあった彼女が、昔キャバクラやなんかで働いていたことがありました。その経験からか「こんな時期だし求人もないでしょう。ナイトワークも候補に入れてみたら？」と助言してくれたんです。

で、探してみると、20代前半で頂くにしては給与が良いことがわかりました（笑）。思い切ってチャレンジしてみようという気になったんです。

最初は仕事を舐めていた。先輩達の高い“接客力”に驚かされた

僕にとって幸いだったのは、ご縁を得たのがまさに『グループアージュ』だったということ。正直な話、最初はこの世界の仕事を舐めていたんです（笑）。「まあラクなんだろうな」とさえ思っていました。

なので入社後、初日から驚かされたのを覚えています。当たり前と言えば当たり前ですが、皆さん髪はきちんとセッティング、制服で身だしなみを整え、声は元気に張り、言葉遣いもたいへん丁寧でした。

同時にそれが“ずっと続く”んですよね。僕が高2からバイトしていたマックの接客だって、ご承知のように丁寧と言えば丁寧なんです。でもそれは“誰に対しても同じように”丁寧だし、忙しい時にはイライラが顔に出ちゃったりする店員もいたんですよね。

ここの先輩達は違いました。どんなに場が混み合っていても、笑顔と親身な態度は変えない。そしてお客様がご年配であれば、下から敬うように、気さくさを求めるお若い方であれば、ややフランクにという姿勢で、“1人ひとりに合わせて”、おもてなしを使い分けていたんです。

「レベルが高い」というのが、率直な感想でした。今でもそう思います。恐らくここにいれば、どんな業界でも通用する接客力が身に付くはずです。

“言われる側の気持ち”を考える。だから自分の体型にも気を使う

お世話になってトータルで2年になりますが、先ほど触れた接客と同じくらい、店舗運営にはキャストさんに気持ち良く働いてもらうことが大切と感じます。実際にお客様と向き合い、サービスを提供するのは彼女達ですから。

ここはとにかくコミュニケーションしかないですよね。入ってすぐではキャストさんも心を開いてくれません。相談どころかシフトのお願いをしても、「何いきなり」となっちゃうものです。

僕の場合、「おはようございます」から始まって、日々雑談するようにしています。

関係のない話から入り、些細なことでも相槌を打つ。聞くだけではなくこちら側の気持ちも伝えて、自分を知ってもらう。ひと月ふた月経ってやっと、「このスタッフの話も聞いてみようかな？」となるんですよね。コツコツ地道にが大事だと思います。

大丈夫。フロントで一生懸命接客をして、「〇〇さんの『写メ日記』なんですが」と一緒に悩み、ご指名が増えれば一番に喜ぶ……。これを続けていれば、ほとんどのキャストさんがわかってくれます。

“言われる側の立場や気持ち”を考えるのも重要ですよね。だから僕は「お腹が出ないように」と、自分の体型にも気を配っているんです。ぶくぶく太っているのに「〇〇さん少しダイエット……」なんて口にしたら、彼女達だって「お前に言われたくない」となるじゃないですか（笑）。

昇給・昇格の査定は年2回。賞与に大入手当。やりがいは最高

ウチの良いところは、こうして努力していれば昇給・昇格という形で応えてくれるんです。年2回も査定があって、仕事ぶりを公平に評価してくれます。

ここだけの話、普通に勤めているだけで毎年黙っていても5千円ずつ月給は上がるんですね。だけどどうせなら、頑張ってみようかなって（笑）。

それに賞与も年2回。更にこれとは別に、店舗の売上によって毎月大入手当まで出ます。やりがいという点では最高だし、おかげでスタッフのチームワークも良いんです。みんな「今月も前の月を超えよう！」という感じですね。

もちろん交通費は出るし、住宅手当も4万円。けっこう貯められますよ。子ども手当てもあるので、将来設計だって立てられますよね。

店長ともなれば月給は60～70万円。年収も1千万円を超えます。僕もいつかはここまで行きたいなと……。

今上で活躍している先輩達はもっともっと上を目指しているので、これでも志が小さいって、怒られちゃいそうですけどね（笑）。

（インタビュー：松坂治良）

取材後記

執筆者

藤野 りさ

勤務は実働8時間＋休憩1時間とのこと。残業はほぼないそうです。労働環境の面でも働きやすそうな職場ですよね。ちょっぴり羨ましいと感じたインタビューでした（笑）。