風俗男性求人はFENIX JOB

なりたかった看護師。でも実際に医療の現場に立つと……

もともとは看護師になりたくて、19歳で看護学校に入りました。

風俗業界に触れたのも同じ年の夏ですね。初めは好奇心から、空いた曜日と時間にキャストをするようになったんです。やがて3年後、無事国家試験に受かり病院に内定も頂いて、看護師としての道を歩み始めました。

……ところがすぐに「あ、ムリやな」と（笑）。

思い描いていたのと違って、医療の現場が自分に向いていなかったのもあります。でもそれ以上に、私には二十歳前から続けていたヘルスの仕事が楽しすぎたんですね。

異性のおもてなしは肌に合ったし、努力がダイレクトに対価となることにもやりがいを感じていました。結局早々にこの世界1本で食べていくことになったんです。

振り返ると、最初に出会ったお店が『グローアップ』だったのも大きい気がします。スタッフはみんな「お客様とキャストさん、双方に喜んでいただく」と公言していて、事実その通りに私達への気遣いは徹底されていました。

こういう言い方はあれですけど、安心を背に稼げる環境で、看護師になった時に、どうしてもその働きやすさと比べちゃったんですね。

「ここなら」でスタッフの道へ。待っていた想像以上のメリット

セカンドキャリアとしてスタッフの道に進んだのも、実は同じ理由なんです。

結婚を機にキャストを辞めることになったんですが、「求人部で働かないか」とお声がけいただいて。素直に「ここならぜひ」と思いました。忘れもしません。2019年の10月30日にキャストを卒業して、もう翌11月1日にはスタッフとしてお世話になっていたんです（笑）。

ただ実際に勤めてみると、「ここなら」の現実は想像以上でした。

まず12月に妊娠がわかって、「さすがにひと月で申し訳ない」と思っていたら、上司はむしろ「おめでたやん！」と喜んでくれて。しかも「じゃあリモートワークにしよう」とパソコンを渡してくれたんです。

で、翌年7月に産休を頂くことになって、その時に恐るおそる「その後育休なんて……取れないですよね？」と、試しに聞いてみました。そしたら総務の方にも専務にも、逆に驚かれてしまって。

「取れるに決まってるでしょ」
「全然。制度としてあるんだから、取ってくれないと困るよ（笑）」

おまけにまだ続きがあります（笑）。この育休中に私2人目も授かって、更にまた産休・育休となっちゃったんですね。結果2020年の7月～2022年の3月まで、私は1年8か月子育てに専念できたんです。

手当はきっちり。職場には理解がある。だから“その分”と思える

この間月々に産休手当・育休手当もきっちり振り込まれていました。健康保険組合が提示している額をまるまる頂けた形です。

これも会社が一般企業並みに社会保険に入っているからですよね。「業界的にそういうのはゆるいのかな」と思っていたので、意外というか、びっくりしました。

あんまり言うと、また「当たり前でしょ」と怒られちゃいそうですけどね（笑）。今は9:00～17:00の時短勤務、休憩ありの実働7時間で、店舗のスタッフをさせていただいています。

そうは言っても「申し訳ないな」と思うことはありますよ。育児をした方ならご存知でしょうけど、子供ってすぐ熱を出しちゃう。朝起きて「行けない」となることもありますし、最近はコロナで保育園も過敏ですから、すぐ迎えに行かなければならないこともあって。

もちろん理解のある職場ですから、誰にも文句なんて言われません。「たいへん。お大事に」「すぐ行ってあげて」…… いつもこんな感じです。

なので“その分”ですよね。職場にいる間はできることを徹底的に。現に私は集中力の高さが自慢です（笑）。こうして育児と仕事の両立にポジティブになれて、笑えていること自体、みんなのおかげという気がします。

創業30年のノウハウと役割分担も支え。もっと仕事をしたい！

業務もやりがいがありますよ。キャストさんのメンタルをサポートしたり、1人ひとりに合わせてご指名の取り方をアドバイスしたりという形。キャスト経験をフルに活かせています。

成果が出た時が一番嬉しいですね。「こうしてみて」と助言した子に新規のご指名があったとか、リピーターが増えたとか、目標額に届いて無事に卒業できたとか。

昔は自分の稼ぎが第一だったわけですが、今はこうして人の結果が喜びになる。10代からやってきたことを肯定できるのも、ありがたいことだと感じます。

心情的に、経験者だとどうしてもキャストさん側に寄りがちなんですけど、そこは他のスタッフもいますからね。「あ、ここは男性側の気持ちを聞いた方が良い」と思った時には、店長に同席してもらって、意見を仰いだりします。

私自身「そうなんだ！　それ現役の時聞いておきたかった！」なんてこともありますよ（笑）。その意味ではまだまだ勉強だし、30年の『グローアップ』の歴史を感じるところですよね。ノウハウがあるし、今言ったように役割分担できる組織力があるし……。

正直に言うと、たくさん働きたいんです、私（笑）。子ども2人が大きくなってくれたら、もっとお店に出て、もっとみんなのために頑張れる。こんな風に思えるのを、とても幸せなことだと感じています。

（インタビュー：新海亨）

取材後記

執筆者

松坂 治良

産休・育休。制度面で言えば、一般企業の中には充実したところも増えてきました。『グローアップ』の更に進んでいる点は、環境と人同士の協力の面でも、子育てを支える風土ができていることでしょう。
「感謝の分だけ頑張らなきゃ」と、葉月さん。子育てサポートは1つの例に過ぎないのでしょう。前向きに人を動かせる組織の、ヒントが隠されているお話だと感じました。