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16歳で社会人。「いつかは起業」の思いで業界入りしたが……

初めは建設業界にいました。16歳で現場仕事から入って、18歳から25歳までは戸建住宅の営業という流れ。まあブラックでしたよ。何時間働かせんねんと（笑）。

その後は雛人形のメーカーで営業をして、短い期間ですが飲食店にも勤めました。ところがこの時期に、母親が体調を崩してしまって……。

やはり心配で、比較的時間の融通が利き、出張もないこの業界への転職を決めたんです。高収入のイメージも魅力でした。

最初のお店で4年ほどお世話になったのかな？　店長にまでしていただいたので、今も感謝の気持ちは強いです。ただそこは、“店舗型”のヘルスだったんですね。

もともと僕は「いつかは独立を」という思いで業界入りしていました。当時知識がなかったのもいけないですね。やがて店舗型での起業は、莫大な費用がかかると知って。

その一方で、“無店舗型”のデリヘルは比較的開業しやすいとわかりました。ここは思いきってデリヘルに移り、もう一度業務を学びなおそうと考えたんです。

決め手は“キャストさん”の評判。ゼロから学べる環境を望んだ

中でもウチだった理由は単純で、“有名だったから”です（笑）。

人気グループとしての知名度だけではなく、キャストさんからの評判もすごく良くて。

「あそこのスタッフさんはみんな親切。仕事もできるから安心して働ける」

常々そんな風に聞いていたので、経営のノウハウを身に付けたいなら、『熟女総本店』しかないと思ったんです。

実際働いてみて、先輩スタッフの“丁寧さ”には驚かされました。キャストさんに対して、面接から親身にという感じ。生活状態を伺って、お店の対応を説明して不安を取り除き、目標額と卒業時期に向かった“戦略”をアドバイスするという形ですね。

皆さん言葉遣いからマナーを重視しているので、営業や対面接客の長い僕から見ても、襟を正されるというか、勉強になることが多いです。おそらくこれは、ウチが30代～上は60代のキャストさんのお店というのが大きいのかなと。

スタッフより年配の女性が多いからこそ、配慮も必要だし、相手から聞かれる前に、“先回り”して質問に答えたりケアすることが、信頼に結びつくんですね。

また中には“業界の大先輩”というキャストさんだっていらっしゃいます。良い店も悪い店もご存じだからこそ、ご案内に不備があったり、ごにょごにょ話していたら、「ここ大丈夫かな？」と思われてしまう（笑）。僕自身紳士に接し、“頼りになる”スタッフになれるように、日々心掛けています。

閑散期なのに過去最高の売上。要因は“当たり前”の徹底？

おかげさまで入店4か月ですでに、Webサイトの更新や電話での接客のほか、キャストさんの面接や口頭での講習も任されています。いや、早いですよね（笑）。意欲を買ってくれる社風なので、やりがいがあります。

ありがたいことに、結果も付いてきているんですね。今配属の日本橋店はオープンから約1年になるんですが、2月はなんと過去最高の売上を記録したんです。

もう先輩スタッフや店長もそうだし、何より面接時や日々のアドバイスを実践してくれたキャストさんには頭が上がりません。現在実にお客様の8割がリピーター。それだけ彼女達が“次に繋がるサービス”を行ってくれているということですよね。

閑散期だったのにすごい？……そう言われればそうですね。今気がつきました（笑）。この時期に過去一を達成したんだから、繁忙期が始まる今後は、もっともっと利益を伸ばせると思います。

逆に言うと、閑散期を意識しなかったことが勝因なのかもしれません。「お客様の来ない時期だからしょうがない」と思っていたら、言い訳になっちゃうじゃないですか。

事実僕をはじめ、先輩スタッフの皆さんも、何か特別なことをしていたわけではありません。先ほど触れたように、キャストさんにもお客様にも丁寧に。そして時間は守り、業務にミスはなくという“当たり前”を繰り返していただけなんです。

その意味で、スタッフに業界経験はあまり関係ないのかなと。コツコツと小さな積み重ねを大切に仕事に向き合える方なら、ゼロからでも活躍できると思います。

成果を出せば給与で見返り。独立の夢もきっとかなえたい

『熟女総本店』の良いところは、こうして成果を出すと、給与で報いてくれるんですね。僕もしっかり昇給しました（笑）。

以前はどんなに頑張っても月給は固定だったので、モチベーションという面では弱かったかもしれません。今は月々の明細を見るのが楽しみで（笑）。

今後の目標としては、年内に新店をオープンして、ぜひ自分が店長をやってみたい。既にあるお店ではなく立ち上げに関わって、自分の力を試してみたいんです。幸いグループは新規出店を継続する方針だし、オーナーからも「実力が付いたら任せるから」とはっぱをかけられているぐらいです。

出店はどこが良いですかね。大阪市内にこだわらず、吹田や東大阪で勝負するのもおもしろそうですよね。人口密度が高く、かつ田舎過ぎない都市なら、充分に需要を掘り起こせる気がします。その先に将来、独立という道が開けたら最高です。

こんな夢を堂々と語れる。それだけではなく、かなえられると信じられる。……なかなかない環境ですよね（笑）。「ここに転職して良かった」というのが、率直な感想なんです。

（インタビュー：新海亨）

取材後記

執筆者

松坂 治良

閑散期に過去一の売上。要因は“当たり前のことを当たり前に”というお話が印象的です。おそらくスタッフの皆さんは、その当たり前の“レベル”が高いところでお仕事をされているのでしょう。その意味で、ゼロから高収入や経営者の道を模索する“野心”のある方にこそ、学びの多い環境だと感じます。