風俗業界の女性マネージメントで大切なこと ~アキバマサトの『風俗業界一年目の教科書』~
2017年04月12日
先日、『Fenixzine』編集部の新海さんからこんな話を聞きました。
「とある風俗店グループの店舗スタッフさんにインタビューしたところ、女性とのコミュニケーションが一番難しい、と言う人が多かった」
このグループに限らず、ほかの風俗店でも同じ悩みをもつスタッフさんは多いようで、出勤管理やサービス指導など、女性キャストさんとのコミュニケーションが難しいと感じているようです。
言うまでもなく、風俗店では女性キャストさんの出勤が、店舗の売上に大きく関係します。いくら素晴らしいホームページがあったり、優秀なスタッフがいたりしても女性キャストさんの出勤がなければ1円にもならないのです。
商品の在庫管理とは違い、相手は人間です。人それぞれ気分の浮き沈みや、好き嫌いもあるでしょう。数ある業務の中で女性キャストさんのマネージメントやコミュニケーションが難しいと感じるのは無理もありません。
僕自身、人心掌握が得意だなんて1ミリも思っていないので、このテーマにおいて参考になるかわかりません。ただ、実際に働いていた時の経験を踏まえて、少しでも皆さんのお役に立てたらと思います。
アキバマサト流、箱ヘル時代の女性マネージメント
僕が働いていたのは、いわゆる“箱ヘル”と言われる店舗型風俗店でした。デリヘルとは違い、物理的に部屋数が決まっており、稼動数も部屋の上限で決まっています。
個室以外に待機室がある店舗もありますが、僕が在籍していたグループは個室5~10部屋、待機室なしの店舗が多く、出勤できる女性の数は部屋数に依存します。
基本的に店舗としては、より利益をもたらしてくれる女性キャストの方を優先して出勤してもらいます。これはボランティアではなく、営利目的で店舗を運営している以上、仕方のないことです。
しかし、心情的には、自分のお店に在籍する女性キャスト全員が大切な存在であることに違いはありません。
そのため、出勤メンバーに入れない女性に対しては、どのような努力が必要なのか、ほかの女性よりもリピート率が単純に低いのであれば、どうすれば上がるのかを一緒に考えていました。
少しずつでも改善されていけば、全体が「底上げ」され、店舗のクオリティーが上がっていくのです。
逆に、出勤メンバーになっている女性キャストさんには、「本来であれば出勤したい人がいるのに、自分が選ばれている」ということを自覚してもらっていました。
具体的には、「本当は○○ちゃんも出勤したいって言ってたんだけど、あなたのほうが人気あるから出勤できるんだよ!」とストレートに言う言わないは別として、(ちなみに、もし僕の部下がこれを言ったら、しばらく後悔するくらい説教すると思いますw)こうした考えの基で運営されていることが重要なのです。
これが店全体に浸透していけば、上記のようにストレートに言わなくても、日々のコミュニケーションの中で理解してもらえるものです。
このことは何ら特別なことではなく、言葉で直接言われなくても環境の中で浸透していくものだと僕は思っています。学生のころ運動部に入ったら、誰に言われるでもなくデカい声で応援したり、先輩や先生を敬ったりするようなものです。
自分で腹落ちした本音こそが女性へ届くメッセージとなる
前置きが長くなってしまいました。
箱ヘルとデリヘルでは考え方が違うと思いますが、それでも店舗側が女性の出勤に対する基本的な考え方を確立する必要があると思っています。
出勤に対する最低保証(お客様が付かなくても出勤するだけでもらえるお給料)がない店舗であれば、20人でも30人でも100人でも、とにかく女性に出勤してもらえば店舗としてもうかる可能性は高くなります。
しかし、「お店がもうかる可能性が高い、だから出勤してほしい」という考え方では、女性は出勤してくれないでしょう。
そもそも店舗がもうかろうが赤字だろうが、極端な話、女性は自分のお給料が高ければ、それでいいのです。
口から出任せと言うと悪く言い過ぎかもしれませんが、「あなたのためを思って」など、うまいことを言って信用させることに長けている人がいます。
そのようなやり方で出勤を促したり、スケジュールを守ってもらったりするのもひとつの方法ですし、否定はしません。しかし、万人に通用するものではないでしょう。
本来は、自分自身で腹落ちをした考えだからこそ、相手に伝わるのだと思っています。
僕の管轄していた店舗では、多く出勤してもらおうとか、時間を長く勤務してもらおうという考えはあまりありませんでした。
ただひとつだけ約束をお願いしていたのです。それは、
「こちらから強制はしないので、自分で出したスケジュールは必ず守ってください」
これだけです。
勘違いのないように言っておきますが、欠勤や遅刻は他人の迷惑になるからいけないのではなく、自分のためにならないから駄目なのです。
人それぞれ考え方はあると思いますが、僕は、「風俗嬢になるということは、決して楽に稼げるということではなく、短期間で効率よく稼ぐことだ」と思っています。
ほんのひと握りの特殊な人を除いて、通常は風俗嬢になった瞬間からものすごいスピードで選手寿命を削っていきます。
短期間に凝縮してお金を稼ぐわけですから、身体や精神的に負荷が大きく、社会的リスクも引き換えにしなければなりません。
まさに身を削ってお金を稼ぐということですから、無断欠勤で予約キャンセルをするというのは、僕からすると、とても非効率的で意味がわからない行為です。
道理でわかっていても女性特有の精神的な浮き沈みや、身体的負担があるのは理解できます。しかし、店舗をマネージメントする立場の人間として、月に3回も4回も風邪で休むというような女性を容認することはできません。
もし本当なら病院で精密検査をするべきだと思います。
女性キャストとのコミュニケーションを恐れるな!
少し見方を変えてみます。女性とのコミュニケーションについてです。
ルックスが良くて、メディアに顔出しができる看板キャスト。でも、遅刻や欠勤が非常に多くて、お客様はご立腹。どのお店にもそんな女性が在籍しているのではないでしょか?
そんな女性キャストに対する良くない対応をいくつか紹介します。
1.何も言わない
マネージメントする立場にない新人スタッフだったら仕方ないので、ある意味正解だと思います。しかし、マネージャークラスとなれば、ただ起きた現象を受け入れているようでは何も変えることはできません。
2.逆にゴマをする
なぜそんなにビビるのか? 「ちゃんとお客さんに謝っておいたので大丈夫です。きっとまた来てくれますよ」とか、「風邪はやってますよね~」など過剰に女性の心配ばかりする。
3.意味不明な説教をする
「ドタキャンしたせいで、お客様にとても怒られた。何で自分が怒られなきゃいけないんだ!」など……。
3はダメなのですが、気持ちはわかります。しかし、最もダメなのは2です。
「ルックスが良くてメディアに顔出しができる看板嬢」という部分だけを評価して、「この女性に辞められたら大変だから、とにかくゴマをすっておこう」という考えですかね。
言うべきことを言うのではなく、相手の聞きたいような耳当りのいいことばかりを言って中間を搾取しているだけならば、奴隷と変わりありません。
一見すると、いい子いい子と頭をなでて甘やかしているように見えますが、本質に気付かせないようにして、店側の都合で長期間在籍してもらえるようにダラダラと働かせるのは、まさに現代版の奴隷と言っていいと思います。
今どき暴力や恫喝で働かされていたら誰でも奴隷にされていると気付きます。しかし、このような間接的に奴隷とする行為は、場面場面はごまかせても長くは続かないでしょうし、その考えを見透かされて、店に協力しようと思わなくなるのではないでしょうか。
僕の経験上、こうした対応は必ず女性に見透かされます。
風俗店は営利組織です。まずは店舗の利益が大前提にあるのは当然ですが、女性にとって本質的にどうするのが一番いいのかを考えたうえで、コミュニケーションをとるべきだと思います。
その際、可能な限り対面で話をすることをお勧めします。
現在では、スマートフォンの発達やLINEなどのSNSの普及で情報伝達の手段が多様化しており、文字によるコミュニケーションの場面が多くなっています。
しかし、文字というものはミスコミュニケーションが起きやすいものです。例えば、この記事を読んでいる皆さんが、僕の本来の意図とはまったく違う解釈をしてしまう可能性があります。
もし、読者の方一人ひとりとお会いして話をする機会があれば、そのような誤解を解消できるかもしれませんが、それは現実的ではないので基本的には誤解されたままになってしまいます。
しかし、店舗スタッフと女性キャストさんは対面でコミュニケーションをとることができます。
ミスコミュニケーションは、コミュニケーションでしか解消できません。逆を言えば「話せばわかる!」ことだと思います。
恐れずに積極的にコミュニケーションをとってみてください。
まとめ
今回の記事では、あえて具体的なコミュニケーション方法を書いていません。
それについては、この『Fenixzine』であや乃さんが書いている『魔法の言葉』シリーズが参考になるのではないでしょうか? 僕が紹介するよりも現役キャストであるあや乃さんが、実体験を基に執筆しているので説得力があります。
僕が言えることがあるとすれば、あや乃さんの『魔法の言葉』を理解せず、思ってもいないことを口から発したとしても、それはロボットから出たただの音と何ら変わりはないということです。
相手が聞きたいことだけを言うのはダメだと書きましたが、『魔法の言葉』シリーズを読んで、「なぜ女性たちはそれを言われたいのか?」を理解し、真に口から出た言葉であれば、必ず相手に響くと思います。
自分の要求をただ伝えるのではなく、相手の立場に立って、何を望んでいるのか、何が必要なのか、それを突き詰めてみてください。
それでは、またお会いしましょう。ご機嫌よう。
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