どMな風俗業界1年生が学ぶ法律講座~DVから女性キャストを守れ~

2016年08月31日

by新海 亨新海 亨編集長

DV(ドメスティック・バイオレンス)は、配偶者(事実婚や離婚後も含む)、または同居中(同居していた)の交際相手から身体的、心理的、性的な暴力を受けることを指します。

風俗店の求人では、マンション寮を始め住居を提供してくれる場合が多いので、夫や彼氏のDVから逃れるために応募をしてくる女性が少なくありません。今回は、通称『DV防止法』という法律と、DVを受けている女性のサポートについてご紹介していきます。

■登場人物

lowko

どS敏腕弁護士 ロウ子 

風俗業界の健全化と女性セックスワーカーの地位向上に熱意を捧げる敏腕弁護士。そのどSっぷりは、法曹界の重鎮たちが一目置くほど。常に尖がったハイヒールを履いていることで有名。とある理由から“チン吉”くんに風俗業界における法律知識を教えることになる

tinnkiti

どM風俗店舗スタッフ チン吉 

大学卒業後、一般企業に就職するも仕事がつまらなすぎるという理由で退社。『Fenixzine』から風俗業界に興味をもち、満を持して飛び込んだ生粋のどM。最近の悩みは髪型が亀頭みたいなこと。とある理由から“ロウ子”さんに法律知識を学ぶことになるが、そんなことより、本当はムチで叩いてもらいたい

新キャラ、社会福祉士“サ・ポール”現る

lowko
「今日はスペシャルゲストを呼んでいるわ」
tinnkiti
「女王様ですか!? それともわがままで自分勝手で理不尽な女王様ですか!!?」
saporl
「ぼんじゅーる!! チン吉!! 私は、世のセックスワーカーたちを福祉の観点からサポートしているサ・ポールでえーす!!」
saporl

ハーフ社会福祉士 サ・ポール 

父は日本人、母をフランス人にもつイケメンハーフの社会福祉士。ロウ子さんと一緒に福祉の観点から悩めるセックスワーカーたちを援助、支援している。日本生まれ日本育ちなのになぜか時折フランスなまりが出てしまう。そんな、お茶目な一面をもっている

tinnkiti
「……」
tinnkiti
(これはやっかいだな……。一番カラみにくいやつだ)
lowko
「今、カラみにくいって思ったでしょ。私も長い付き合いだから同感よ。ただ、社会福祉士としての仕事は一流だからしっかり勉強してね」
tinnkiti
「はい! わかりました!」(ロウ子さんは、もしかしたらサイコメトラーなのかもしれない……)

DV(ドメスティック・バイオレンス)防止法とは?

saporl
「まずは『DV防止法』とは、どんなものなのか説明しまあーす!!」
DV(ドメスティック・バイオレンス)防止法
正式には、『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律』。DVの防止と、被害者の保護を目的とした特別法として、2001年4月に『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律』を制定、2014年に改正、改題されたものです。
これには、保護命令制度(被害者からの申し立てにより、裁判所が、加害者に対して被害者に対する接近禁止命令、及び住居からの退去命令を発し、違反者には刑罰を科す)と配偶者暴力相談支援センターに関する施策があります。
saporl
「DVは女性の心身の健康に深刻な影響を、しかも長期的に与えマス」
saporl
「いつ暴力を振るわれるか、わからない――そんな状況におかれたとき、女性は常に過度の恐怖と緊張を強いられて日々の生活を送っていマス。すごくストレスがかかっている状態ですよね? ロウ子」
lowko
「そうね、わかるわ。しかも、「私はDVを受けています!」ってしっかりSOSを出せる人って、とても少ないんじゃないかしら」
saporl
「そのとおりでーす! 自身のプライドが邪魔することもあれば、第三者に相談したことが配偶者にバレて、もっとひどい暴力を受けてしまう、なんてことも。だから、自分の悲惨な状況を理解してもらえない、相談ができないことで、彼女たちの自尊感情はどんどん失われ、無力感と孤独感に支配されていくことになりマス」

DV被害を受けている女性が風俗店の面接に来たときの対応

saporl
「チン吉さんの勤めている風俗店に、DVの悩みをもつ女性が応募してくることありませんか??」
tinnkiti
「ありますね。彼氏、旦那の暴力がひどくて家を飛び出してきたとか。寮に入りたいって人が多いです」
saporl
「注意してほしいのは、DV被害者の女性が逃げようとしたとき、あるいは逃げたときに、加害者の暴力がもっともひどくなるという傾向がありマス」
saporl
「加害者男性が女性を追いかけてきて、トラブルになるケースが多々あるようです! もし追いかけてこない、見つからなかったとしても、被害者の女性は見つかって、また暴力を振るわれるのではないかという恐怖に苦しんでいマス。そんな状況で風俗のお仕事をしっかりこなせると思いますか?」
tinnkiti
「難しいと思いますね。仕事自体、体に負担とストレスがかかるものですから……」

社会福祉士サ・ポールのメッセージ

saporl
「風俗店で働くみなさーん! DV被害で悩める女性がいたら、各都道府県が設置する配偶者暴力相談支援センター(婦人相談所や男女共同参画センター、福祉事務所など)や警察の窓口にぜひ相談してみてくださーい!!  この問題を個人で解決することはとても困難です!! 風俗店で働くみなさんが、本当に必要としているサポートがあると私は思っていマァース!」
saporl
「面倒に思うかもしれませんが、被害者の女性に必要なのは、高収入の仕事ではなく、一刻も早い社会的な保護と支援です! 都道府県の相談窓口をまとめましたので、悩める女性にぜひ紹介してあげてくださーい!!」
tinnkiti
(いい奴だなあ。おい)

主要都市のDV被害相談窓口

札幌 札幌市配偶者暴力相談センター
仙台 仙台市配偶者暴力相談支援センター
埼玉 埼玉県配偶者暴力相談支援センター
千葉 千葉県女性サポートセンター
東京 東京ウィメンズプラザ
横浜 横浜市DV相談支援センター
名古屋 名古屋市配偶者暴力相談支援センター
大阪 大阪府女性相談センター
神戸 兵庫県女性家庭センター
広島 広島市配偶者暴力相談支援センター
福岡 福岡県女性相談所
沖縄 沖縄県女性相談所

みんなで楽しく風俗業界の法律を学びましょう。
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『どMな風俗業界1年生が学ぶ法律講座~困った!! 風俗嬢がストーカー被害に~』

デリヘル検定

デリヘル検定 (一般社団法人ホワイトハンズ主宰)

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監修:一般社団法人ホワイトハンズ代表 坂爪真吾 / 徳田玲亜 弁護士

執筆者プロフィール

新海 亨

新海 亨編集長記事一覧

元大手ハウスメーカー営業マン。お金と引きかえに自由とやりがいを手放す生活から決別するため転職を決意。ある風俗サイトに感銘を受け、デザイナーとして仕事を始めるも、いつのまにか編集員に。最近はハマっている一眼レフカメラの仲間を求め奔走中。座右の銘は“STAY GOLD!!” 東京都出身。

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