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イベントの浴衣がスタッフ・キャストにドハマり。演歌という名前の由来に

名前は『西 演歌』っていいます。もちろんニックネームですよ！

このお店ね。去年のハロウィンの時、キャストさんのみならず、店舗スタッフさんもドライバーも仮装してお仕事をするっていうイベントがあったんですよ。

たまたま選んで着たのが浴衣だったんですけど、その姿が大物感ただよう演歌歌手みたいだったらしいんです。そこから「演歌さん、演歌さん！」って呼ばれるようになっちゃって(笑)。

僕の仕事はキャストさんを派遣先のホテルや自宅に届ける、いわいるデリヘルの送迎ドライバーです。

他のお店のドライバーさんって結構事務的というか、お店のキャストさんとか、スタッフさんと関わることって少ないみたいですね？

うちはみんなでお店を盛り上げようっていう雰囲気が結構あって、ドライバーもそういうイベントの時は一緒になって仮装とかするんですよ。

大阪人ですからね。みんな“おもろい”ことが好きなんだと思います(笑)。

コロナで自身の飲食店を廃業。運転が好きだからデリヘルドライバーへ転職

もともとずっと飲食店をやっていました。小さな居酒屋ですけどね。

でも、新型コロナウィルスの感染拡大で客足が遠のいてしまって……。補助金とか、休業手当とかでなんとか頑張っていたんですけど、いよいよ経営が行き詰ってしまったんです。

お店を畳んで少しゆっくりしようと思ったんですが、全く仕事をしないのも時間を持て余してしまうので、前々から興味のあったデリヘルドライバーのバイトをしてみようと思ったんです。

若いころから車が好きで……、いや運転が好きだったんですよね。

大阪から九州までひとりで運転して行ってしまうこともありました。運転していると眠くならないんです。逆に助手席に乗ったとたんにウトウトしちゃうような性分で。

運転の仕事を考えた時、トラックドライバーとか、タクシーはバイトじゃ雇ってくれないじゃないですか。正社員だったり、2種免許をとらなきゃいけなかったりでハードルが高いですよね。

その点、デリヘルの送迎ドライバーはバイト感覚で始められるからいいかなと思って。すぐにサイトで検索して応募したんです。

まさかの不採用の連続……。理由は自分の車を持っていなかったから

割とすんなり決まってお仕事できるのかなと思っていたら……、甘かったですね。応募してみると車の持ち込み必須のところがほとんどだったんです。

メールや電話で必ず問い合わせをすると、

「ご自身のお車お持ちですか？」
「持ってないんです」
「今回はごめんなさい」

と言われてしまうんです。

求人内容には【社用車あり】って書いてあるのに「今（社用車）は空きがないです」と言われ不採用の連続でした。

あきらめかけた時に、ここのお店に応募したら会社で借り上げているリースの車を貸してくれるということで！（車両費負担一部あり）

こんなに苦戦するとは思っていなかったので採用してもらえた時は嬉しかったですね。

プロ意識の高い女性キャストさんからの刺激。一流のデリヘルドライバーを目指す！

はじめての場合、最初の3日間くらいは先輩ドライバーの助手席に座ってお仕事の流れを教わります。女性のピックアップ場所や、送迎指示の受け方とかですね。

難しいことは一切ありません。一通りやってみれば、誰でもできるようになる仕事だと思いますよ。

今でやっと2年目くらいですが、難しいというか、どこまで突き詰めても終わりはないなって思うのが、「いかに女性にリラックスしてもらいながら、次のお仕事先まで安全に、時間通りにお送りできるか」って部分だと思います。

わずかな移動時間ですけど、ゆっくり休んでもらえるように、車の中は動く休憩所のつもりで運転しています。

この仕事をして初めて知ったんですが、うちのキャストさんたちは仕事に対する意識が本当に高い。お客様にいかに喜んでいただくか、いかにまた自分を選んでもらえるかってことを常に考えている方が多いんです。

勝手なイメージで大変申し訳ないんですけど、そんなプロ意識をもって風俗の仕事をしている女性がいるなんて思いもよらなかったんですよね。

そういう意味では僕もバイトですけど女性たちを見習って、一流のデリヘルドライバーになれるように休みの日は車の掃除をしたり、早くつけるように裏道を覚えたり、日々精進しているんです。

こういう言い方が適切かわからないですけど、キャストのみなさんから「いい刺激」をいただいてすごく前向きに働くことができています。

アットホームでフランクな職場。いつでもだれでも大歓迎です（運転免許必須）

初めに言った通り、このお店はスタッフさん、キャストさん、ドライバーも含めて本当に仲がよくてアットホームな職場です。笑いが絶えないですし、仕事していて楽しいんですよね。

ちょっと用事があって出れない時は、シフトを融通してくれるし、時給も頑張りによって上がっていきます。もし、興味があればスタッフ登用もあります。

僕も苦戦してあきらめかけましたが、車を持っていなくても送迎ドライバーの仕事ができるのはすごく大きなメリットかなと思います。

僕がこの仕事を選んだ動機は「運転が好き」だったんですけど、理由はなんでもいいと思います。少しでも興味があって車の免許があれば是非応募してみて欲しいですね。

取材後記

執筆者

新海 亨

「名前は演歌です」と聞いて驚きましたが、終始にこやかに取材に応じてくれた西さん。きっとみんなから愛されてるキャラクターなんだろうなと思いました。私自身この業界のドライバーさんの立ち位置って業務委託のような“外部の人”ってイメージが強かったのですが、一緒になってお店を盛り上げようとする姿勢は本当に素晴らしい。今年のハロウィンも期待してます(笑)。