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ふと耳にしたデリヘルという言葉。“高級店”の給与は魅力だった

今はあまりいないかな（笑）。もともと僕は“勤労学生”で、フレンチレストランで働きながら大学に通っていました。プラスでアルバイトも掛け持ちして。

振り返ると甘かったですね。前期の授業料まではなんとかなったんですが、後期は納められず……。結局学業は断念するしかなくて、そのままレストランに就職しました。

でも“そこに腰を据えて”という流れにはならなかったんです。4年5年と過ぎる内に、ホールスタッフを続ける意味を見出せなくなってしまって。将来への不安から退職を決めたんです。

それでなぜこの業界に、というのは、同居の友人がテレビ局のADで。「今度デリヘルの特集をする」というのを耳にして、たまたま興味を持ちました。

中でも『MIRAI TOKYO』は“高級店”ということもあるのか、他と比べて給与が良かったんです。当時月給30万円スタートというのは、“大学中退業界未経験”の身としては破格でした。しかも今の新人さんは、更に初任給が良いはずですよ。羨ましい（笑）。

“あの刺激と充実”が恋しくて“出戻り”志願。「いいよ」の驚き

ただ実は僕、2年目に一度、ここを辞めているんです。

働く環境は良かったし、給与にも十分満足していました。なのにどうして、という理由は、自分自身の未熟さですね。納得いく電話応対ができないし、キャストさんのサポートもうまくいかない。これでは周りに迷惑をかけちゃうなと。

で、「たぶん人と接する職は向いていない」と考えて、配送業に転職しました。ところがなんというか、今度は単調な毎日が退屈で退屈で（笑）。今更ながら、刺激的で充実した日々を送っていたことに気がつきました。

とは言え出戻りなんて身勝手なマネできないじゃないですか。初めは業界内の他店を探したんですが、求人内容を見ると、『MIRAI TOKYO』ほど好条件の会社って、やはりなかなかありません。

悩んだ末に思い切って「戻りたい」と相談してみたんですね。そうしたら驚きました。二つ返事で「いいよ」と答えてくれて。

「当時より組織も整っているし、仲間も成長している。フォローするから、やる気があるなら帰ってきなよ」

もう感謝しかないですよね。おかげさまでそれから4年。現在辞める気はまったくありません（笑）。

“必ず解決”じゃなくていい。キャストさんの“話を聞く”のが大切

一転して続けられるようになったのは、“意識を変えた”のが大きいです。

例えばキャストさんに何か相談を受けた時、以前は「なんとか解決策を」と考えていたんですね。

「それはこうしたら」とか「あの子ならこうしているよ」とアドバイスすることが多くて。終わった後「あれで良かったのかな？」と悩むこともあったし、実際キャストさんを不機嫌にさせてしまうことも、少なからずありました。

戻ってからは、「そんなに簡単に他人のことはわからない」と、“話を聞く”ことに集中するようにしてみたんです。

するとこれが大正解（笑）。要は僕は、真剣に受け止めすぎていたんですね。裏を返すと、自分だってまだ20代なのに、「的確な答えを導けるはず」とうぬぼれていたんだと思います。

キャストさんの方ではそれこそ「ただ話を聞いてほしいだけ」ということがほとんどなんですよね。

スタッフは作業の手を休めて、望まれればじっくりと向き合うのが大事。誠意が伝わればコミュニケーションの頻度は増えるし、相手を知ることで、自然に適切な助言ができるようになっていきました。

昇給と歩合給で、やりがい最高。できない時には“みんな”がいる

また復帰時の面接の通り、『MIRAI TOKYO』自体がノウハウを積み上げて、しっかり新人さんのサポートができるようになっています。加えて先輩も上司も常に下を気にかけてくれているし、何より僕ですよね。

自分自身が一度挫折したからこそ、未経験で入社した方の気持ちは「ああ、それ難しいよね」とわかります。「なんとかしてあげたいな」と、おせっかいなぐらいかもしれません（笑）。

とにかく心に留めてほしいのは、どの業務も“最初はできなくて当たり前”なんですね。全然上手じゃなくていい。そのために助ける仲間がたくさんいるし、指導してくれる先輩がいる。ステップ・バイ・ステップで、目の前のことに向き合ってほしいなと。

焦らなくても実力って、後から付いてくるものです。数年経ってやっと、自分にもそのことがわかりました。それにここは、成果さえ示せば基本給が上がるし、歩合給の割合だって増えます。“やりがい”という意味では最高じゃないかなと。

……僕なんで一度辞めたんですかね？（笑） そう思うぐらいだからこそ、同じように悩む後輩はつくりたくないなと。もっともっと働きやすい職場にという気持ちは、誰よりも強いと思います。

（インタビュー：松坂治良）

取材後記

執筆者

藤野 りさ

“出戻り”でも歓迎し、それまでに教育環境を整えていた社風も素晴らしいですが、意識を変えることのできた山下さんもスゴいですね。
確かにこんな先輩がいれば、なんでも相談できそう。未経験の方にこそ、始めやすい職場だと感じます。