風俗男性求人はFENIX JOB

ロケのスタッフとして賭けた、最後のチャンス。ところが

「これからどうしよう。何をしたら良いんだろう？」

昨年の1月だから、ちょうど1年前ですよね。入社直前の僕は、たぶん人生の底にいました。

もともとテレビや映画に関わる仕事がしたくて、滋賀から上京したんです。大学もその関係の学部を選んで、卒業後は映像制作会社でAD。デカいことばかり言ってましたけど（笑）、才能と何より努力が足りなくて、ずっと鳴かず飛ばずでした。

その後5年目だから、27歳の時かな？　自分に見切りを付けて転職しました。ところが決まった取引先へのルート営業という感じだったので、今度は仕事がつまらない（笑）。そこも3年で辞めてしまったんです。

安定第一で選んだはずが、それだけではダメと知らされたような気持ちで……。「今さら」とも思ったんですが、知人の立ち上げた制作会社に、ロケのスタッフとして入社したんです。本当に最後、自分のやりたかったことに向き合おうというつもりでした。

だけど世の中簡単には行きませんね（笑）。とにかく時期が悪かった。まもなく訪れたコロナ禍で、旅番組どころかニュースのロケも激減。設立からわずか半年で、会社は倒産してしまったんです。

どこのお店も「いつ来れる？」。 そんな中『かりんと』は

そこで転職という時に、また無難な道を求めるのは違うと思いました。とは言え現在映像の世界の不景気は変わらない。「何か別のおもしろいこと」と考えた時に、この業界が浮かんだんです。

でも幾つかご面接を受けたんですが、どうも違和感があって。

「いつ来れる？」

くわしく職歴を見られるでもなく、仕事への思いを聞かれるでもなく、早々に即採用。人手不足はわかるし、無職の身ではありがたかったんですが、自分が“駒”のように扱われている感覚がありました。

そんな中、『かりんと』は違ったんですね。僕が前職で携わった番組や、何より考えた企画についても詳細な質問があって。「じゃあいずれ、ここでもイベントや新ブランドの企画を立てられそうですね」と。

僕自身、オフィシャルサイトや先輩達のインタビューを読んで、同じように感じていました。なので「間違いない」と思えたんです。少なくとも飽きることはなさそうだぞと（笑）。

ひと月で自分の企画が採用に。ハズした後、なぜ立ち直れたのか

実際これは本当に驚いたんですけど、ひと月目には自分の企画を採用していただけたんです。店長に恐るおそる企画書を渡したら、目を通した後ニコって笑ってくれて。「よく時間がありましたね。おもしろい。やってみましょうよ」と。

ところがこの『淫語BINGO！』、全然当たらなかったんです（笑）。今だから笑えますけど、当時は結構落ち込みました。「まだ早かったのかな」と思ったり、「そもそも発想力がないんじゃ」と腐ったり……。

ただ数日して気づいたんですが、テレビの仕事をしていた頃だって、それは同じなんですよね。何回も上司にボツを出されたり、そこは通過しても、今度はテレビ局の方で不採用になったり。しかも5年あの業界にいてそれでしたから（笑）。

テレビ番組だってオナクラだって、その意味では一緒ですよね。エンターテインメントが簡単なはずがない。わずか1か月で熱意を買ってくれたからこそ、めげずに“次”と思うのが大事なんじゃないかって。

“僕が笑う”だけでは企画は当たらない。ユーザー目線を得るには

それからは過去の『かりんと』の企画を洗ってみたり、競合だけではなく、風俗以外の人気イベントを分析したりもしてみました。すると次第にどこが悪かったのかも見えてきて。

要はたぶん、ユーザー目線が足りなかったのかなと。例えばさっきの企画で言えば、ビンゴに使う隠語1つとっても“僕が笑う”だけじゃダメなんですよね。極端に言えば、万人が笑ってくれないと、ヒット作にはならない。

なのでそれからは、周りに「これどう思います？」と積極的に聞くようになりました。

幸いここは、スタッフとキャストさんの待機室が地続きなので、みんなに相談もしやすいんですね。日常のコミュニケーションにもなります。キャストさんに「ところで」と、次のシフトも相談しちゃったりして（笑）。

毎日の思案が実を結んで、おかげで1年の間にヒットした企画もあります。最近では『～の件』が大当たりしました。面接でお会いできた方には、くわしくご説明しますよ（笑）。

「おもしろいことがしたい」を現実にできた。今後もきっと

こう話していて、あらためて気づいたんですけど、僕めちゃくちゃ楽しいみたいですね、ここでの仕事（笑）。

「おもしろいことがしたい」の思いで来て、実際おもしろい。自分で企画を立てられて、実行できるわけですから。特にお客様の入りだけではなくて、キャストさんまでが笑顔でイベントの話をするのを目にしたりすると、「ここに来て良かったな」と思います。

今後『かりんと』には出店も続々と計画されているんですね。そのためにもお客様に飽きられないためにも、斬新な企画は常に必要かなと。

だからこそルーティーンの業務も大切にしつつ、常に頭をやわらかく。日々そんな思いで仕事をしています。

取材後記

執筆者

松坂 治良

頭では「こんな企画を」と思っていても、業務に追われ、また見知らぬ先輩達のいる新しい職場となると、つい躊躇してしまうもの。そんな中ひと月で企画書を出せる若松さんは、仰るように、元来クリエイティブなことをしたい欲が強いのでしょう。
自分の仕事ぶりを反省すると共に、“提案しやすい環境”に羨ましさを感じた取材でした。